遅ればせながらのご報告となりましたが昨年12月9日(土)、
成人教育セミナー「子どもを信じる子育て」と題して、
医師、臨床心理士の田中茂樹さんの講演会を開催しました。
田中先生は、引きこもり、摂食障害など、
子どもの問題について親の相談を受け続け、
約5000件の悩みを解決に導いてきたお方。
4児の父としてのご自身のエピソードもふんだんに交えて
子育てについてのお話を伺いました。
田中先生によると、
学校から帰ってダラダラしている子どもに
「宿題やりなさい!」と言うのは実は「甘やかし」で
「何も言わず見守ってあげること」こそが「愛情」なのではないか、とのこと。
えっ? と思ってしまう言葉ですが
「不確実な未来に生きる子供に親がしてあげられることは何か」、
その答えを探すうち
「家を安心してリラックスできる場所にすること」、
「子どもに内在する力を信じて成長を見守ることが大切」
という考えに行きついたそうです。
思う通りに動いてくれない子どもを前にするとついつい
「〇〇しなさい!」と小言を言ってしまいがちですが、
指示や命令などの「操作的な会話」でなく、
子供との「交流的な会話」をすることの重要性を説いておられました。
そのほかにも
・日本は育児にかける時間が先進国の中で最低?
・簡単に子どもを元気にするアイスクリーム療法とは?
などなど、たくさんの興味深い気づきを含んだお話には
先生の温かいお人柄がじんわりと滲み出ており、
ほっと肩の荷が下りる気持ちになれる講演会でした。
音響のトラブルもあり運営側はドキドキでしたが、
会場にはたくさんの方々にご参加いただき
「先生は見守るというけど、奥さんはどんなスタンスなの?」
「小言を言わないで子どもが他人に迷惑をかけたらどうする?」
とざっくばらんに質問も飛び交い、
終了後のアンケートにも
「心に残る言葉ばかりで、自分の指針になるお話でした」
「早く帰って子どもをギュッてしてあげたくなりました」
などとたくさんの感想をお寄せいただきました。
皆様、本当にありがとうございました。
親としての気づきと学びの場として、
また親同士の交流のきっかけとして、
来年度以降のセミナーも有意義な時間にしていけたらと思います。
(成人教育委員会 オリジナルセミナー班長 原田)